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ナイトレーズとは?いびきレーザー治療の仕組み・特徴・治療回数を医師が解説
名古屋でいびき治療を検討している方へ。睡眠・いびきコラム第8回では、ナイトレーズ(NightLase)の仕組みや特徴、治療回数、効果と注意点を解説します。
ナイトレーズ(NightLase)とは?
NightLase(ナイトレーズ)は、2940nmのEr:YAG(エルビウムヤグ)レーザーを口腔・咽頭周囲へ照射し、切開せずにいびきの軽減を目指す治療です。いびきに関係する軟口蓋などの軟部組織へ、SMOOTHモードと呼ばれる非蒸散性の照射を行い、レーザーの熱作用による組織の収縮やリモデリングを利用します。Fotona社のNightLaseは、2940nm Er:YAGレーザーとSMOOTHモードを用いる治療として設計されています。
大きな特徴は、
- 口腔内から治療する
- 軟口蓋などを切開しない
- 組織を切除しない
- 複数回に分けて治療する
- 日常生活への影響を抑えながら行いやすい
という点です。
つまりNightLaseは、
「のどを切って広げる治療」ではなく、口腔・咽頭の軟部組織へレーザーでアプローチするいびき治療と考えると分かりやすいでしょう。レーザー治療そのものの仕組みについては、前回の記事で詳しく解説しています。
NightLaseを簡単に整理すると
ここで最も大切なのは、
NightLaseは「いびきをかく人なら誰にでも行う治療」ではないという点です。
治療前に、なぜいびきが起きているのかを確認する必要があります。

NightLaseは、なぜいびきにアプローチできるのでしょうか?
いびきは、睡眠中に空気の通り道である上気道が狭くなり、そこを空気が通過するときに周囲の軟らかい組織が振動することで生じます。その振動に関係する代表的な部位の一つが軟口蓋です。NightLaseでは、この軟口蓋やその周囲へEr:YAGレーザーを照射します。
SMOOTHモードでは、粘膜を切ったり蒸散させたりすることを目的とせず、レーザーによるコントロールされた熱を組織へ加えます。その熱作用によってコラーゲン収縮や組織リモデリングを促し、軟部組織の状態へアプローチするのが基本的な考え方です。
したがって、いびきの「音」を直接消すのではなく、音の発生に関係する口腔・咽頭の組織へアプローチする治療といえます。
NightLaseでは、どこにレーザーを照射するのでしょうか?
治療では口を開けた状態で、口腔内からレーザーを照射します。
主に、
- 軟口蓋
- 口蓋垂周囲
- 口蓋弓
- 咽頭周囲
など、いびきに関係すると考えられる軟部組織を対象とします。
しかし、ここがNightLase治療で非常に重要なところです。
いびきの原因は、全員同じではありません。
軟口蓋の振動が大きく関係する方もいれば、
- 舌がのど側へ落ち込みやすい
- 顎が小さい
- 鼻づまりが強い
- 扁桃が大きい
- 体重増加が影響している
といったケースもあります。
そのため、
「NightLaseだから決められた場所へ同じように照射する」のではなく、まず口腔・咽頭の状態を確認することが大切です。

どんな人がNightLaseを検討しやすいのでしょうか?
NightLaseは、特にいびきそのものが主な悩みで、軟口蓋など口腔・咽頭の軟部組織がいびきに関係していると考えられる方で治療候補になります。
例えば、
- 家族やパートナーからいびきを指摘されている
- 以前よりいびきが大きくなった
- 生活習慣を見直してもいびきが続いている
- 毎晩マウスピースを装着することに抵抗がある
- 切開を伴う手術はできるだけ避けたい
- 仕事や日常生活への影響を抑えながら治療したい
といった方です。
一方で、
「いびきがある=NightLaseが適している」ではありません。
鼻づまりが主な原因なら鼻への治療を優先した方がよいことがあります。
顎や舌の位置が大きく関係している場合には、マウスピースなど別の治療が適することもあります。だからこそ、治療前の診察が重要になります。
NightLaseの治療はどのように進むのでしょうか?
基本的には、
- 1診察
- 2口腔・咽頭の状態を確認
- 3NightLaseの適応を判断
- 4レーザー照射
- 5経過を確認
- 6必要に応じて次回治療
という流れになります。
NightLaseは、一度レーザーを照射してすべて完結させるというより、複数回治療しながら変化をみていく治療です。そのため、初回の治療だけではなく、「治療後にいびきがどのように変化しているか」を確認していくことも重要です。

NightLaseは何回くらい治療するのでしょうか?
NightLaseは、基本的に複数回治療を行います。ランダム化比較試験では、患者さんに3回のNightLase治療が行われています。実際に必要となる回数は、
- いびきの程度
- 軟口蓋などの形態
- 年齢
- 体型
- 治療への反応
などによって異なります。
そのため、
「1回で必ず治る」あるいは、「3回やれば必ずいびきがなくなる」
と考える治療ではありません。治療を重ねながら、いびきの変化を確認していきます。
1回目から効果を感じますか?
変化の出方には個人差があります。
NightLaseではレーザー照射による組織への熱作用に加えて、その後のリモデリングも利用するため、照射直後だけで判断する治療ではありません。
また、いびきは本人が眠っている間に起こるため、本人自身では変化が分かりにくいことがあります。
そこで、
- パートナーからの評価
- いびきの頻度
- スマートフォンなどでの録音
などが変化を見る参考になります。
「以前より音が小さくなった」
「いびきをかく時間が減った」
など、治療前後の変化を見ることが重要です。ただし、スマートフォンの録音だけで睡眠時無呼吸の有無を判断することはできません。
NightLaseは痛いのでしょうか?
NightLaseは、軟口蓋などを切開・切除する治療ではありません。
治療中には、
- 温かさ
- 熱感
- 軽い刺激感
などを感じることがあります。
原発性いびき患者40名を対象としたランダム化比較試験では、NightLaseは局所麻酔なしで行われ、平均疼痛VASは3.0±1.7/10でした。また、この研究では治療関連の合併症は報告されませんでした。もちろん痛みの感じ方には個人差があります。
そのため「無痛」と断定するのではなく、切開を伴う治療と比べ、身体への負担を抑えながら行いやすい治療と考える方が適切です。
NightLaseにダウンタイムはありますか?
NightLaseでは、組織を切開したり縫合したりしません。そのため、大きなダウンタイムを必要としにくいことが特徴です。Fotona社もNightLaseを低侵襲でダウンタイムを必要としない治療として案内しています。
一方で治療後には、
- のどの違和感
- 乾燥感
- 軽い刺激感
- 熱感
などを一時的に感じる場合があります。症状や経過には個人差があります。
NightLaseには本当に効果があるのでしょうか?
NightLaseについては、複数の臨床研究があります。
重要な研究の一つが、原発性いびき患者40名を対象としたランダム化比較試験です。
この研究では、
- 成人
- BMI 30以下
- AHI 15未満
の患者を、NightLase群と偽照射群に分けて比較しました。
NightLase群では3回の治療が行われ、その後、患者本人による評価だけでなく、ベッドパートナーによるいびき評価についても偽照射群と比較して改善しました。
また、2025年に発表されたシステマティックレビュー・メタ解析でも、Er:YAGレーザー治療について、選択された患者におけるいびきの強さや主観的睡眠の質の短〜中期的改善が報告されています。
つまり、NightLaseには「いびきの改善」を支持する臨床研究があります。
ただし、ここで大切なのは、
「効果が報告されている」=「誰にでも必ず効く」ではない
ということです。
NightLaseの限界も知っておくことが大切です
医療では、メリットだけでなく限界まで知ったうえで治療を選ぶことが重要です。
NightLaseのランダム化比較試験は重要な研究ですが、対象は40名で、BMI 30以下・AHI 15未満という選択された患者群でした。また、2025年のメタ解析では短〜中期的な改善や安全性について一定の評価がある一方、長期効果のエビデンスは低〜非常に低い質と評価されています。したがって、NightLaseは、適切に患者さんを選んで行ういびき治療の選択肢の一つと考えるのが適切です。
「レーザーだから必ず効く」
「一度受ければ永久に治る」
という治療ではありません。
NightLaseの効果は永久ですか?
NightLaseは、一度受ければ一生いびきをかかなくなる治療ではありません。
いびきには、
- 加齢
- 体重変化
- 飲酒
- 鼻づまり
- 睡眠習慣
- 口腔・咽頭組織の変化
など、さまざまな要因が関係します。
そのため、一度いびきが軽くなっても、時間の経過とともに再び気になることがあります。
2025年のメタ解析でも長期効果については今後さらに質の高い研究が必要とされています。
状態によっては、追加治療やメンテナンスを検討します。

NightLaseと睡眠時無呼吸の治療は同じではありません
ここはNightLaseを検討するうえで、非常に重要です。NightLaseでいびきが小さくなることと、睡眠時無呼吸が改善することは同じではありません。
2020年のEr:YAGレーザー治療に関するシステマティックレビュー・メタ解析では、いびき評価は改善しましたが、AHIやRDIについては有意な改善が確認されませんでした。
したがって、
「いびきが静かになったから、睡眠中の呼吸も問題ない」
とは判断できません。
特に、
- 睡眠中に呼吸が何度も止まる
- 息をあえぐような呼吸がある
- 強い日中の眠気がある
- 寝ても強い疲労感が残る
といった場合には、必要に応じて睡眠時無呼吸について別に評価します。
NightLaseを受ける前に、全員が睡眠検査をするのでしょうか?
すべてのいびき患者さんに、最初から睡眠検査が必要というわけではありません。
まず、
- いびきの頻度・程度
- 呼吸停止の有無
- 日中の眠気
- 朝の休養感
- 鼻づまり
- 体型
- 舌・軟口蓋
- 口腔・咽頭の状態
などを確認します。
いびきそのものが主な悩みで、睡眠時無呼吸を強く疑わせる症状が乏しい場合には、NightLaseを含めたいびき治療を検討することがあります。一方で、呼吸停止や強い日中の眠気などがある場合には、必要に応じて睡眠状態の評価を考えます。
つまり、「全員同じ検査」ではなく、その人に必要な評価を行うことが重要です。
まゆりなclinic名古屋栄がNightLaseで大切にすること
まゆりなclinic名古屋栄では、2026年9月10日よりNightLaseによるいびき治療を開始予定です。
当院ではTimeWalker XS Expertを使用し、レーザー照射は医師が行います。
私たちがNightLaseで大切にしているのは、
「NightLaseがあるから照射する」のではなく、「まず患者さんのいびきを診る」ことです。
いびきの原因は、一人ひとり異なります。
そのため治療前には、
- どのようないびきなのか
- いつから気になっているのか
- 呼吸停止を指摘されていないか
- 日中の眠気がないか
- 鼻づまりはないか
- 舌の状態
- 軟口蓋・口蓋垂
- 口腔・咽頭の形態
などを医師が確認します。
そのうえで、
NightLaseが治療候補になるのか、それとも別の方法を考えた方がよいのか
を判断します。レーザーという機械が先にあるのではありません。
患者さんのいびきが先にあり、その原因を考えたうえでレーザーを使う。当院では、この順番を大切にしています。
名古屋でNightLase・いびきレーザー治療を検討している方へ
名古屋で、
「いびき治療」
「いびきレーザー」
「ナイトレーズ」
などを検索している方は、機械名や料金だけではなく、
- 誰が診察・治療を行うのか
- 治療前に口腔・咽頭を確認するのか
- どのようなレーザーを使用するのか
- 切開・蒸散を伴う治療なのか
- 治療回数はどの程度を想定しているのか
- 睡眠時無呼吸が疑われた場合にどう対応するのか
まで確認するとよいでしょう。NightLaseは、ただレーザーを口の中へ照射すればよい治療ではありません。適応を確認したうえで治療を行うことが大切です。
まとめ|NightLaseは「切らずに行ういびき治療」の選択肢
NightLaseは、2940nmのEr:YAGレーザーをSMOOTHモードで口腔・咽頭周囲へ照射し、切開や組織の切除を行わずにいびきの軽減を目指す治療です。
特徴は、
- 口腔内から治療する
- 切開・切除を伴わない
- 軟口蓋などへアプローチする
- 大きなダウンタイムを必要としにくい
- 複数回治療が基本
- いびき改善についてランダム化比較試験を含む臨床研究がある
という点です。
一方で、すべてのいびきに適しているわけではありません。
鼻が原因の方もいます。舌や顎が大きく関係している方もいます。
また、呼吸停止や強い日中の眠気がある場合には、睡眠時無呼吸についても考える必要があります。だからこそ、NightLaseという治療から始めるのではなく、患者さんのいびきから始める。そのうえで口腔・咽頭の状態を確認し、NightLaseが適しているかを判断することが重要です。まゆりなclinic名古屋栄では、2026年9月10日よりNightLaseによるいびき治療を開始予定です。医師が診察からレーザー照射まで行い、患者さん一人ひとりのいびきと口腔・咽頭の状態を確認しながら治療を考えていきます。
よくある質問
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参考文献
- Picavet VA, Dellian M, Gehrking E, Sauter A, Hasselbacher K. Treatment of snoring using a non-invasive Er laser with SMOOTH mode (NightLase): a randomized controlled trial. Eur Arch Otorhinolaryngol. 2023;280:307-312.
- Dembicka-Mączka D, et al. Effectiveness of the Er Laser in Snoring Treatment Based on Systematic Review and Meta-Analysis Results. J Clin Med. 2025;14(12):4371.
- Neruntarat C, Khuancharee K, Shoowit P. Er laser for snoring: a systematic review and meta-analysis. Lasers Med Sci. 2020;35:1231-1238.
- Fotona. NightLase® / TimeWalker® clinical and technical information.
※本記事は一般的な医学情報の提供を目的としたものであり、個別の診断・治療を行うものではありません。治療効果には個人差があります。睡眠中の呼吸停止、息をあえぐような呼吸、強い日中の眠気などがある場合には、必要に応じて医療機関へご相談ください。
監修医師

まゆりなclinic名古屋栄 院長
<経歴>
三次救急病院などで内科・循環器内科・救急医療の診療経験を積み、2022年にまゆりなclinic名古屋栄を開院。
循環器内科では、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療にも携わり、ポリソムノグラフィー(PSG)による睡眠検査、CPAP療法、マウスピース治療などを行っています。
いびきは単なる音の問題ではなく、睡眠中の呼吸や睡眠時無呼吸症候群が関係していることもあります。
当院では、こうした睡眠医学・内科的な視点から状態を確認したうえで、切らないいびきレーザー治療「ナイトレーズ」を行っています。
すべての方にレーザー治療を勧めるのではなく、口腔・咽頭の状態や症状を医師が確認し、必要に応じて睡眠時無呼吸症候群の評価も行いながら、その方に適した治療をご提案します。
「いびきを止める」だけでなく、「睡眠中にどのように呼吸しているか」まで考える診療を大切にしています。








